オンライン順番とりシステム続報

導入から3週間

オンライン順番とりシステムを導入してから3週間程度経過しました。

間にGWを挟んだので実質の運用日数は2週間と少し。

まだ不慣れな部分は残りますが、スタッフも着々と練度を増しており、導線や運用も固まりつつあります。

受診した患者さんからも、スタッフからも、概ねポジティブな感想をいただいております。

今回は3週間運用してみての、医院の変化について書いてみます。

待ち時間の短縮

感染症の患者さん限定での導入となりましたが、感染症の患者さんだけでなく、一般外来の患者さんの診察までの待ち時間も短縮されているというデータが得られています。

今までは60分待ち以上が当たり前で、混雑時には120分待ちになることもあり、患者さんに多大なご負担を強いてきましたが、システム導入後から徐々に待ち時間が短縮してきております。

直近数日の診察までの待ち時間の平均は30分台となっており、システム導入の効果が如実に現れております。

朝の行列の緩和

システム導入前は朝に受付のための行列ができてしまうのが常でした。

診察に制限をかけることもしばしばありましたので、その結果朝に行列ができることを誘発していたのだと思います。

システム導入により、感染症の方が自宅で順番を取れるようになり、結果朝の列が少なくなりました。

診察制限をしなくなった

朝に行列ができなくなったことで、朝の業務が円滑に流れるようになり、診療の効率が上がりました。

患者さんの受付や診察もより円滑化され、診察制限をせずとも同じ人数の患者さんを診療できるようになりました。

3週間経過しましたが、この3週間一度も診察制限を行なっておりません。

患者さんの来院が分散するようになった

朝に並ばずとも診療を受けられるので、自然と患者さんの来院時間が分散されるようになったと感じます。

そうなることで、結果的に患者さんの待ち時間が、感染症の患者さんだけでなく、一般外来の患者さんのものも減少しているのだと推察されます。

副次的に期待すること

短期的にはデータには出ませんが、そういった好循環が生まれることで、スタッフの「時間に追われる」という心理的な負担が減り、その結果ミスが減るのではないかと期待しています。

またスタッフに心の余裕が生じることで、より良い接遇が実践されれば良いなと考えております。

今後の予定

現在、一般外来の順番とりの導入に向けて準備を進めています。

またメールアドレスの入力ミスから連絡が取れないケースが散見されるため、LINEと連携した順番とりシステムの導入も検討しています。

待合や診察室前に電光掲示板を設置し現在の診察状況を表示できるようにすることも予定しています。

もちろんそれらのシステムを使わない方が不利益にならないようにバランスをとりながらも、新しいシステムを導入し効率化を進めるつもりです。

コロナ禍前の医院を

コロナ禍以前、当院は来院する患者さんを断らない医療機関でした。

コロナ禍においてもそのスタイルを貫いてきました。

ところが、コロナ禍を経て、断らない診療を継続した結果、自分達の能力を遥かに超える患者さんが来院される形となり、膨大な業務に追われるあまり、いつの間にか制限をしながら診療を行うことを当たり前にしてしまう医療機関となっておりました。

今、もう一度、自分達を見つめ直し、考える時がきたのだと、私自身は考えています。

懐古ではなく、コロナ禍以前の方がより患者さんに寄り添った診療を行なえていたという自覚があります。

あの頃のような誰でもいつでも相談に来れるようなクリニックを、スタッフともう一度作り上げていきたい。

そのために、昔に戻すのではなく、新しいシステムなどもどんどん取り入れながら、新しいクリニックに生まれ変わっていく、その第一歩になれば良いなと思う3週間でした。